仮想通貨はアービトラージで安全に稼ぐことが可能なのか
仮想通貨のアービトラージ
株やFXの世界で以前から行われてきたアービトラージという手法があります。この手法は仮想通貨の取引においても使うことができます。
比較的安全に稼ぐことができるといわれるアービトラージですが、デメリットなども含めてご紹介しましょう。
アービトラージは2か所の金利差や価格差を使って利ザヤを稼ぐ取引方法で、裁定取引やサヤ取りとも呼ばれます。仮想通貨は、取り扱われる取引所によって価格に差があります。
仮想通貨におけるアービトラージでは、この取引所間の価格差を利用することになります。まず販売価格の安い取引所で買い、直後に買取価格の高い取引所で売ることにより利益を得るというわけです。
たとえばビットコイン1BTCをA取引所で、80万円で購入しB取引所で80万5千円で売却すれば、それだけで5千円の利ザヤが稼げることになります。価格差は取引高の違いなどによって生まれますが、関連するイベントやニュースが発表された際にも差が開く傾向があります。
この方法ではリスクを抑えて比較的安全にリターンを得ることができます。購入してからすぐ売却するためにリスクが少なく、相場の変動にも左右されません。
その仮想通貨に対する深い知識や情勢の分析なども基本的に必要ないのです。価格差の確認については各取引所をよく見ておかなければいけませんが、自動でチェックするツールなどもあります。
取引所間の価格差
ただし取引所間の価格差といっても単価はそれほど大きいわけではありません。動かす枚数にもよりますが、それほど大きなリターンは期待できないでしょう。
また入金、送金、出金というそれぞれの手続きにかかる手数料も計算に入れておかなければいけません。手数料は取引所によって異なるので、少ない手数料で動かせるルートを見極める必要があります。
また相場は秒単位で常に変動しているので、安く買ってから売るために送金を行っている間に価格が上がってしまう、という可能性もあります。この変動によってタイミングを逃すことを避けるために、それぞれの取引所にコインと資金をあらかじめ入れておき送金の手間を省くという方法もあります。
市場においてアービトラージを続けていくと、価格差は徐々に収束していくという特性があります。この手法を使う人の数が少ないうちほど、利幅はでやすいといえるでしょう。
不確実性の高い仮想通貨の取引においてできるだけ安全に、そして確実に利益を積み重ねたいという方には、早めの検討をお薦めします。