仮想通貨の決済スピードは従来通貨と比べてどれくらい早いのか
仮想通貨の決済スピード
仮想通貨が今後通貨としての役割を担っていけるか、期待が高まっています。ひとつのカギとなるのは決済スピードです。従来通貨を使った既存の決済手段に比べて、仮想通貨ではどれくらいのスピードを期待できるのでしょうか。
小売店で買い物をして、キャッシュレスで代金を支払う光景はめずらしいものではなくなりました。まだ現金払いの人も多い中、キャッシュレス化は徐々に進んでいます。
キャッシュレスの決済手段を構築する際に、決済スピードは重要な条件となります。その通貨が機能面でいかに優れていようとも、一回の買い物で決済が10分も20分もかかるようでは使い物になりません。
クレジットカードや電子マネーでの決済は、その点で高い水準を実現しています。ほぼストレスフリーで使えるため、普及しているのです。
仮想通貨の代表格であるビットコインも、一部店舗で決済に使えるようになっています。決済スピードに関していえば、ビットコインは数ある仮想通貨の中で決して早いほうではありません。
処理件数は現段階で1秒におよそ7件から14件といわれています。今はまだ取扱店舗が少ないこともあり、実際に小売店でビットコインを使った決済を行っても電子マネーなどと変わらないスピードを保てています。
しかし今後取扱店舗が増えるにつれ処理件数も多くなっていくため、決済スピードが遅くなる可能性はあります。
一部のアルトコインではそうした決済スピードを克服する特長をもつものがあります。リップルはまさに処理速度を売りにした仮想通貨で、1秒に1,000件から3,000件と、驚異的な早さを誇ります。
同じくアルトコインのひとつ、ネムではカタパルトといって処理スピードを向上させるためのアップデートがあります。
2018年に予定されているこのカタパルトが実装されると、1秒に3,000件から4,000件の処理が期待できるといわれています。1秒に4,000件というのは大手クレジットカードの処理速度に匹敵するレベルです。
海外送金
現行の通貨を使った手続きで比較的時間がかかるものに、海外送金があります。
現在国内から海外送金を行う手段としては、銀行送金が一般的です。銀行送金の場合、取扱銀行や送金する国によっても変わってきますが送金から着金までは基本的に1〜6日前後かかるのが普通です。
営業日の兼ね合いもあるため、かなり余裕をもって手続きをしなければなりません。銀行送金以外では、専門の送金サービスを利用する方法があります。
100万円を超える額の場合は複数回に分けて送金する必要がありますが、こちらの場合は送金スピードが最短で10分程度と、大幅に短縮されます。
仮想通貨は海外送金についてもこの専門サービス同様に10分程度での処理を見込んでおり、期待が高まっています。また海外では、クレジットカード経由で仮想通貨を決済に利用する仕組みもでてきています。
クレジットカードのネットワークを利用することで取扱店舗の数は飛躍的に多くなるため、今後のシェアを左右するマーケットといえるでしょう。仮想通貨は決済スピードの面でも大きな可能性を秘めているのです。