金融庁は仮想通貨に対してどんな考え方を持っているのか
金融庁と仮想通貨
2017年には仮想通貨のブームが一気に加速し、様々な問題も起こっています。そういったニュースが報道されるなか、金融庁の対応もクロースアップされるようになりました。金融庁はこの仮想通貨事情をどう見ているのでしょうか。
株式や投資信託などの歴史の長い金融商品では、投資家を保護するための制度が整っています。
それに対し仮想通貨の世界では、まだそういった環境整備が追いついていないのが現状です。この状態で様々な問題が表面化してきており、金融庁の対応は後手に回っています。
国内の大手取引所が不正アクセスの被害に遭い、日本円にして500億円を超える額のコインが流出した事件がありました。この事件は相場にも大きな影響を与え、多くの人々の注目を集めました。
この際問題視されたのが、その取引所が金融庁の正式な許可を受けていない、いわゆるみなし業者であったということです。正確には許可申請中であったということですが、この状態で取引所は投資家の資産を預かり運用を行っていたわけです。
この取引所にはコールドウォレット機能が実装されていないなどの技術的な問題もありました。しかしそれ以上に世間が重くみたのは、みなし業者が運営しているのをなぜ金融庁が黙認していたのか、という点です。
許可申請に対する審査が継続中であれば運営ができるという点に疑問を感じるのはもっともでしょう。
今後規制は強化される
金融庁はこの取引所に対して業務改善命令を出し、立ち入り検査を行っています。またこの問題を受け行われた金融庁の会見では、仮想通貨の価値については保証していないため法定通貨とは対応が異なるとの見解が述べられています。
利用者保護も法定通貨同様には行わないということです。無登録で運営を行っている海外の取引所に対しては警告を行っており、この流れは今後も継続するとされています。
これまでにも仮想通貨に関連する注意喚起や警告は何度か行われています。未公開の仮想通貨、ICOに対する注意喚起もそのひとつです。しかしそれらに法的な拘束力はありません。
今後規制は強化されるものとみられ、法整備も行われていくでしょう。ただ十分な法整備、投資家の資産を保護する仕組みが整うまでは、まだしばらく時間がかかると思われます。
また何かこうした問題が起こったときも、投資家の資産は基本的に保護されないと思っていたほうがよさそうです。自分を守れるのは自分だけ、やはりどこまでも投資は自己責任であるということです。